干し芋タツマの商品一覧

2013年6月の“お宝ほしいも”

薪ふかし農家が作った玉豊の中でも出色の出来の、薪ふかし玉豊平ほしいもです。

薪ふかし干し芋セットに入れるだけの数量がそろわない、希少な薪ふかし玉豊平ほしいもです。

「観測史上○番目の記録です」という気象現象が一年で何度かあるのが当たり前のようになっていると感じます。
私が農業に携わっているから特に気にするのかもしれませんが、ここ数年のスコールのような梅雨ひとつとってもこの考えがそんなに間違っていないと捉えています。

それは干し芋加工の現場でも見られます。
ほんの20年程前までの干し芋産地では、10月中の芋掘りは必須でした。
11月の初旬から霜が降りる気候だったからです。
当然干し芋加工ができる気候になるのも早く、11月15日あたりから蒸かし始めるという日程でした。
それが最近では、11月15日くらいまでなら芋掘りができないことがなく、干し芋加工も12月スタートが当たり前です。
やはり気候は変わってきているのでしょう。

サツマイモの収穫や、干し芋加工のスケジュールが変わるだけなら私もそんなに気にしないのですが、因果関係は立証されていないものの、原料芋の出来がどうも気象の変化に影響されているようなのです。

それが顕著なのが、干し芋の主力品種の玉豊です。
ここ数年、製品比率が低くなっています。

玉豊の出来は、春からの気象状況で決まります。
豊作の年、不作の年、それに加えて品質がどうなるか、それらは半年間の気温、降水量、日照時間で全体的な傾向が出てきます。
もっと厄介なのは、畑ごとに出来不出来の差が大きくなっているのもここ数年の特徴です。

今月のお宝ほしいもは、薪ふかしの玉豊平干し芋です。

玉豊の製品率は全体では落ちていて、畑ごとにそれが顕著になると、一般的な加工の干し芋では、たくさん生産されているので、その中の干し芋からお届けできるものを選ぶので問題はないのですが、薪ふかし干し芋のように、特殊な作り方の、限られた生産農家しかない干し芋を選ぶ時は、大問題になります。

毎年2月に、『薪ふかし干し芋セット』を販売していますが、そのラインナップに玉豊を入れることが難しくなってきました。
理由は前述したとおりです。

今月のお宝ほしいもは、薪ふかしで作る干し芋農家の玉豊の中で、本当に貴重な、上手く原料芋が育ち、美味しく加工できたものです。
『薪ふかし干し芋セット』として販売できるだけの数量がそろわないので、今月のお宝干し芋にしました。

薪ふかしだけあって、加工に一番重要な蒸かしは十分です。
じっくりと時間をかけていますから、玉豊らしいクセのない素直な甘みが、しっかりと引き出されています。

ここのところ、干し芋用のサツマイモとして新しい品種が登場しています。
『ほしキラリ』『紅はるか』『ほしこがね』等です。
どれも気候の変化を考慮に入れて開発されています。
そして、『ほしキラリ』『ほしこがね』は、玉豊の長所を継承する品種として開発されています。
今後、気象が変わるかはわかりませんし、玉豊の製品率が低い傾向も元に戻るかもしれません。
けれど、より美味しい品種は開発されていきます。

今後玉豊のほしいもが作られなくなっていっても不思議ではありません。
たとえそうなっても新しい品種を干し芋用としてしっかり栽培し、おいしい干し芋に加工することが、タツマの使命だと考えております。
ほしいもが好きな皆様へずっと美味しい干し芋をお届けできるよう、これからも努力して参ります。

2013年5月31日 株式会社タツマ 福井保久